『珍獣病院 ちっぽけだけど同じ命』 田向健一 講談社


図書館の児童書のフロアで動物関係の本を集めたコーナーが作られていてそこで見つけました。

田園調布動物病院院長の田向健一さんが書いています。

実は『珍獣ドクターのどたばた診察日記 動物の命に「まった」なし!』ポプラ社 が小学生高学年におすすめの本リストにあり、「一目見てカエルの顔色が悪いと感じとることができる」獣医さんって面白そうだね!読んでみたい!と息子と話していました。
同じ作者さんです。

『珍獣ドクター』は小学生向けに書いた本と紹介されています。
でもこの『珍獣病院』の方も語りかけるような文章で書かれていますし、先生の一人称が僕で、とてもわかりやすい言葉を使われているので、小学生高学年なら読めると思います。

子どもの頃のこと、獣医になると決めてから、高校のテストを頑張り、狙い通り推薦で大学を受けたこと。その面接でのこと。

大学では探検部に入り、無人島とかアマゾンとか探検に行ったこと。
エキゾチックアニマル(いわゆるペットとしての動物や外国産の珍しい生き物)のことを勉強したかったけれど、獣医学部で勉強するのは牛、馬などの家畜についての勉強が主で、大学時代にカエルの結石についての発表をしたら引かれた話とか面白かったです。

石を飲み込んでしまった2.5㎝のアマガエルの手術、金魚に麻酔かけて手術とか、亀の手術とか、今までにない検査・治療方法や手術方法を工夫して編み出すのがすごいですね。

ストッキングにハムちゃんを入れてちょいと引っ張ってレントゲン撮るのは、へ~と思いました。

ホームセンターなどで外国産の珍しい動物が簡単に手に入る、しかも飼育は簡単ですよ~などと言われてしまうことがあることが説明されています。

専用のエサだけでは水分や食物繊維が足りなかったり。
野菜を食べると言われても毎日キャベツだけではダメで、野草やいろいろな種類のものを!とか。
逆に、肉食だからと自然にと生肉を食べさせるのはいいけれど、それだけでは摂取できない栄養がある(内臓を食することで摂取している栄養がある)ので専用のエサもちゃんと与えなければならないとか…。

げっ歯類はよく金属のゲージをカジカジしたりするけど、それによって歯の根元の細胞がおかしくなり、歯の根元の奇形が起きて命を脅かす事態になることがあるとか…。

悪くなってから病院に連れてくる飼い主さんの多さ…、また、治療方針をお伝えすると「ちょっと待って下さい」という飼い主が多いことや、その時には様子を見たいと帰ったのに、次に来た時にはもう違う子を連れている方もいたりする…。(治療をしなかった子はお亡くなりに…)

なんていう話も書かれています。